アトピー性皮膚炎「冬の対策」

冬は寒気と乾燥に注意が必要です。保湿剤や加湿器なども利用しながら保湿に留意しましょう。入浴ですが浴槽にゆっくりつかると皮膚角層の水分量が増える、という報告があります。また体の芯が温まると適度な発汗が促され、汗の保湿成分(乳酸や尿素など)により肌の潤いも期待されます。なおナイロンタオル等でのゴシゴシ洗いは悪化要因となります。外用剤は入浴後15分以内に塗るのが理想的とされ、軟膏タイプが保湿効果に優れます。なお乳幼児は寒冷により湿疹が悪化することがありますので、そのような場合にはステロイドやタクロリムス軟膏をしっかり外用しましょう。

衣服について。ヒートテック等の吸湿発熱素材肌着、ニットや裏起毛は皮膚の乾燥と知覚過敏を誘発することがありますので肌触りのよい綿の肌着が基本となります。また冬場の低水温では洗濯の際、衣類の繊維間に洗剤や柔軟剤などの成分が微量残留する可能性があり、皮膚の刺激となり得るので留意ください。

2月以降はスギやヒノキの花粉が飛散します。花粉によってまぶた等に湿疹ができる花粉皮膚炎にご注意ください。予防には保湿と帰宅時の洗顔、治療にはタクロリムス軟膏や眼科用ステロイドが有効です。