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アトピー性皮膚炎 【秋の対策】

秋に気をつけるポイントは、まず気候の変化です。日内あるいは週内での気温差が大きくなり、大気も徐々に乾燥しますが、寒暖による痒みには抗アレルギー剤が有効な場合があります。乾燥に対しては保湿を主体としたスキンケアを、ステロイド等の外用薬はローション基材では乾燥が改善しにくい場合があるため軟膏基材が有用です。

室内のダニ抗原量は8月から10月にかけてピークとなりますので、掃除や布団干しをこまめに行いましょう。一方で秋にはセイタカアワダチソウ(アキノキリンソウ)、ブタクサ、ヨモギなどのキク科雑草やススキ、シバなどのイネ科雑草、場合によってはスギの花粉が飛散しますが、鼻炎、結膜炎症状に加えて顔面にも痒みが出現することがありますので留意ください。

コロナ禍に終止符が打たれようとしていますが、3年間のマスク生活が続きました。長期間の機械的刺激や蒸れによると考えられる顔の皮膚障害(肌荒れやざ瘡)が増加しているように思われます。可能な状況下ではマスクを控え、肌状態を取り戻すよう生活してください。

 

 

 

2023-9-13 | Posted in infoComments Closed 

 

アトピー性皮膚炎「冬の対策」

冬は寒気と乾燥に注意が必要です。加湿器なども利用しながら保湿に留意しましょう。入浴ですが浴槽にゆっくりつかると皮膚角層の水分量が増える、という報告があります。体の芯が温まると適度な発汗が促され、汗の保湿成分(乳酸や尿素など)により肌の潤いも期待されます。なおナイロンタオル等でのゴシゴシ洗いは悪化要因となります。外用剤は入浴後15分以内に塗るのが理想的とされ、軟膏タイプが保湿効果に優れます。なお乳幼児期には寒冷により痒みが強くなり湿疹が悪化することがありますので、そのような場合にはステロイドやタクロリムス軟膏をしっかり外用しましょう。
衣服について。ヒートテック等の吸湿発熱素材肌着、ニットや裏起毛は皮膚の乾燥と知覚過敏を誘発することがあります。また冬場の低水温では洗濯の際、衣類の繊維間に洗剤や柔軟剤などの成分が残留する可能性があり、皮膚の刺激となり得るので留意ください。
2月以降はスギやヒノキの花粉が飛散します。花粉によってまぶた等に湿疹ができる花粉皮膚炎にご注意ください。予防には保湿と帰宅時の洗顔、治療にはタクロリムス軟膏や眼科用ステロイドが有効です。

 

 

2023-9-02 | Posted in infoComments Closed