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アトピー性皮膚炎 【夏の対策】
【夏の対策】
夏は汗と紫外線に注意しましょう。
発汗は大切な生理機能で、汗に含まれる保湿成分や抗菌成分などが皮膚の健康維持に役立ちます。しかしアトピーでは体表への汗排出が滞り、うつ熱やかゆみが出ることがあります。半身浴や適度な運動によりスムーズな発汗を促すことが重要ですが、その時かゆみを強く感じる場合には保冷剤等でクーリング、タオルで優しく拭き取る、水洗、帰宅後早めの入浴、シャワーなどを心がけましょう。なお汗拭きシートでかぶれることがありますのでご注意ください。外用剤ですが軟膏剤はべたつき感が生じ、あせもや毛疱炎などがおきることがあります。また保湿剤についても使い過ぎるy必要はない季節ですので適度な保湿を心掛けてください。
また紫外線により過敏反応(かゆみや赤み)が出る場合には、紫外線をなるべく避け、肌に合う遮光剤を塗布する、などの対策をしましょう。
アトピー性皮膚炎【春の対策】
【春の対策】
注意するポイントは、花粉、寒暖差、乾燥と発汗です。
広島市内では2月からスギなどの花粉が飛散していますが、花粉刺激によりマブタなど顔面に皮膚炎が出ることがあります。花粉の多い日には早めに洗顔やシャワーなどで洗い流しましょう。女性に多い傾向があり、化粧はしっかり、保湿もたっぷり、を心掛けてください。予防が第一ですが治療にはタクロリムス軟膏やマブタ用ステロイド外用薬を用います。なおハンノキ、シラカバなどブナ目花粉に感作されている場合、バラ科(リンゴ、モモ、イチゴなど)やウリ科(メロン、スイカなど)の果物に対して口腔アレルギー症候群が出ることがあり、ブナ目花粉が飛散する1月から5月くらいまで抗アレルギー剤の内服が効果的です。
一方、今年は冬でも寒暖差が大きく、雪が積もり路面の凍結した日もあれば寒気の緩んだ穏やかな日もありました。3月以降強い寒気は減るでしょうが、日々の寒暖差、週の寒暖差が大きいのが春の特徴です。この気温変動により皮膚の知覚過敏が増悪することがあります。抗アレルギー剤の内服、ステロイド外用の多めの使用で増悪をしのぎましょう。
さらにゴールデンウイークの頃から気温が上がり、汗をかきやすくなります。汗でアトピーは悪化することがありますが、汗の良い面も理解されるようになってきました。汗に含まれる抗菌ペプチドや免疫グロブリンは皮膚の善玉菌である常在菌を守り、有害な病原菌の侵入を防ぐという働きがあります。また保湿とPH調節に大切な尿素や乳酸等も含んでおり、汗を上手にかくことは丈夫な皮膚を造ることにつながるのです。汗を避ける生活習慣等から発汗機能が低下していくケースもありますが、アトピー克服のために汗をかく体に戻しましょう。とは言え、当面のかゆみがひどい場合には、濡らしたタオルやシャワーなどで軽く流すよう工夫もしましょう。